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2015/03/22

なぜ禁呪詠唱はつまらないのか

個人的に感じた、バトルアニメの面白さを決定付ける要素について述べます。
ある種のメモ。

書いたのは1ヶ月前です。

・合理性
言うなればフィクションの中に見えるリアリティの追求。
現実世界では2足歩行ロボットなどは非合理極まりないだろうが、全長を5m未満まで小さくし、コックピットブロックを脱出機構に特化させ、移動はタイヤを使うとなってくるととたんに「それっぽさ」が生まれる。
コードギアスにおいては、常に小隊や指揮官の描写が行われ、軍隊はまとまりをもって敵と戦闘する。量産機は量産機らしく破壊されるが、エースパイロットであっても隙をつかれて危険な状況に陥る。戦闘シーンにドラマも盛り込む。
ブリタニアも黒の騎士団も、それぞれ紅蓮とランスロットを警戒しそこに戦力を偏らせたりしていた。

格下だからといって敵を舐め、敵陣に単騎で攻めこんで返り討ちにあうというありえないことが起こっているのがアルドノアゼロである。既にイナホが駆るオレンジ色の機体のことはヴァース軍に行き渡っているはずなのに、依然として単騎で攻めこんであっけなくやられるのである。見ていて実に非合理的だと思う。なぜ大量に兵力を投入しないのか。



・緊迫感
シナリオ全体を通して、重要人物の欠損(死)がいつまでも描かれない場合、視聴者は「きっとこの先もメインキャラは生き残る」と思うだろう。そしてほとんどはその通りに進行する。

アルドノアゼロでは序盤にイナホの友人が死んだが、あれは勝手に死んだだけだししかもポジションとしては限りなくモブに近い存在だったため、実質味方サイドの重要人物の死はまだ確認されていない。
この手のバトルアニメは味方キャラよりも敵キャラの方が多いことが常で、敵キャラは入れ替わっていくためザーツバルム他の死は別段関係無い。

ここからは予想だが、最終回までイナホやイナホ姉はおろかインコやニーナ等の主要キャラは皆生き残るのではないだろうか。イナホが強すぎて味方が死ぬ気配を全く見せないというのもあるが、そもそもシナリオ前の段階でキャラの離脱を考えていない可能性がある。
そうなってくると緊迫感の欠片も無くなる。もっというと、試聴の継続の理由すら無くなる。最終回だけ見て、「ああやっぱり生きてるね」と確認だけして終わりでよい。

魔法科高校の劣等生では主人公より強い存在が居なかったため、視聴者は誰一人としてあの作品を緊張して見ていなかった。「どうせまた司波達也が解決するんだろう」と内心わかっていた。実際にそうだったのが逆に笑える。

聖剣使いの禁呪詠唱は、もう語る必要すらない。敵がまったく襲ってこない。敵を退治する描写はあるのに、全く緊迫感がない。敵が襲ってこないから。襲ってきたとしても絶対に倒されちゃうから。
見なくてもわかる。多分この作品の敵モンスターの目の前でボーっとしていても誰も死なないだろう。
そのくらい緊迫感がない。なんでこいつらは戦ってるんだ?

ルルーシュもカレンもスザクも、常にピンチと隣合わせだった。最強のパイロットでありながら、彼らは毎回死に物狂いで戦場を駆け巡っていた。黒の騎士団が勝ったナリタ攻防戦ですら、紅蓮弐式は半壊状態だったし戦略的撤退という形で終わっている。見ている側は、ここで黒の騎士団のメンバーが欠けるかもしれないという不安を抱えてその戦いを見届けたはずだ。

コードギアスではメインキャラが死ぬ。シャーリーが死に、ダールトンが死に、朝比奈も死んだ。
コーネリアやジェレミアは生き残ったがいずれも死にかけている。特にコーネリアはおそらくR2終盤で登場するまで皆が死んだと思っていただろう。
更にいうとルルーシュまで死んだ。予想している者も多かっただろうが、最後まで信じたくは無かっただろうと思う。

最後の最後まで、常に緊迫感があった。この戦いでついにカレンが、藤堂が、扇が、または他の誰かが死ぬかもしれないという不安が付きまとっていた。

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