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2014/12/07

未来禁止法

東暦2015年の春、かねてより議論され続けてきた法案がついに可決された。

「未来禁止法」と呼ばれるその法律の内容は、不確定な遠い未来に及ぶ事柄についての宣言を禁止あるいは修正し、できるだけ現実味を帯びた近い未来に変更させるというものであった。

たとえば賞味期限。長期保存が効く食料品の賞味期限の記載は、長くとも年末までとすること。
たとえば建設計画。長期に渡るものであっても形式上は18ヶ月以内に完成するものとして予定すること。

発案の背景としては、かつての文明を主導した国々が、満期を10年とした国債を償還する前に滅んでしまったことが関わっているとされる。

翌日、官報に未来禁止法交付及び施行について掲載された。以下に施行に関する記述を引用する。

「未来禁止法は東暦2017年1月1日より施行する。」

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