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2018/01/28

えっくすあーるぴー


轟雷改を見ていたらミルガウスのルミノバ夜光も好きになってきました。(挨拶)

皆さん仮想通貨ってご存知ですか?
実は仮想通貨(Virtual Currency)というのは日本特有の呼び方で、海外では普通暗号通貨(Crypt Currency)と呼ばれます。
(このエントリーでは便宜上仮想通貨と呼称します。)

仮想通貨は投機(要は博打、ギャンブルですわ)の対象として今まさに人気を集めていますが、もともとは「ブロックチェーン技術-分散管理台帳システムという改竄を許さない画期的な送金の仕組み-」があらゆる分野に応用され得るという点で優れているとされており、たいへん注目されているのです。

この仮想通貨ですが、誰でも売買ができます。それこそAmazonでポチるのと同じくらい。
仮想通貨取引所というものが存在しており、そこでアカウント作ってもろもろ手続きしたらあとは銀行で日本円を任意の金額ぶち込んでゲームスタートです。

中でも、アプリのUIが非常に秀逸で、且つ国内で最も多くの種類の通貨を扱っている販売所がありました。失礼、まだギリギリあります。
それがCoincheck(コインチェック、以下CC)です。

2018年1月26日(金)の午前3時頃、
CCの保有するXEM(もちろんユーザからの預かり資産)の99.99%が、
第三者により持ち出されました。相場が変動するので円換算は難しいですが大体500~600億円分。
つまりはハッキング、盗難、そんな感じです。
もともとあった残高がおよそ5億枚のXEM、残高を1XEMだけ残していったのはハッカーの粋な計らいでしょうか。

「いやあのXEMって何?ビットコインしかしらないんだが……」という人にめちゃめちゃわかりやすく説明すると、
Bitcoin(BTC)→ガンダム
Ethereum(ETH)→ガオガイガー
NEM(XEM)→フルメタルパニック
Ripple(XRP)→コードギアス
こんな感じで捉えておけばいいと思います。

CCの保有していたXEMというのは、A銀行が持ってる客の預り金と同じです。
要はCCの持ち物ではなく、CCを使っていたユーザの持ち物です。
それがハッキングされてどっか知らんところに送金されてたというわけ。

このことに気付いたCC、まあ焦ったでしょうね。
身体の水分が全部汗になったんじゃないでしょうか。
CCは同日のお昼頃、XEM/JPYの売買、XEM/BTCの売買を一時停止しました。
(仮想通貨というのはBTCを使っても買うことができます。)

で、この時は「機関投資家がインサイダー情報を得て、今後暴騰するXEMを買い漁ったのではないか」みたいなことも言われていて、しばらくXEMは値段を上げていました。
しかし、同じタイミングで識者がCCからのXEM送金履歴についてTwitterで言及。
「何者かによって全額持ち出されたのではないか」と。

その数時間後、CCはXEM以外の全ての通貨の売買も停止します。
これは、ユーザが仮想通貨に不信感を覚え、CC内の仮想通貨を日本円へ逃がそうとする集団心理が働いた場合にCCが破産することを見越しての措置だと思います。
A銀行利用者全員が、一斉に預金を全ておろしたらA銀行はどうなるか、ということです。
仮想通貨も一緒です。

「は?なんでXEM以外も売れねえんだよ」
「安くなってるのに買い増しできねえじゃん」

ここでCCユーザーはいよいよ身の危険を感じ、別の取引所口座に通貨を移動しようとしました。
(みずほ銀行とりそな銀行に口座を持っていれば、前者から後者にお金を移せますよね。それと同じです。複数の仮想通貨講座を持っている人が多いのです。)
この行為はそのまま送金といいます。クリック一つで簡単に送金されます。
通常であれば。
「送金手続き中からステータスが変わらないんだが」
「これ送金も止められてるのでは?」

はい。
CC内の通貨が他所へ移動できなくなっていました。アナウンスはありませんでした。

ソードアートオンラインでは、キリトを含む多くの人がオンラインゲーム内に閉じ込められました。
コインチェックでは、ユーザーの資金がコインチェックの中に閉じ込められました。
しかもハッキング被害に遭うような脆弱なシステムの中に。

「問題があったのは仮想通貨ではなく、仮想通貨を管理している会社」というのは誰もが分かっていることです。
しかし、仮想通貨と仮想通貨を管理する会社は切っても切り離せませんから、仮想通貨に不信感が生まれるのは自明の理。

みるみるうちにXEMを含む全ての通貨価値が落ちていきました。
「やべえぞ利確しろ」
「損切りしろ、ホールドとか言ってる場合じゃねえよ」
CC「ん~ダメwwwwwwwwww売らせませ~んwwwww」

そう、XEM以外の通貨も売買できなくなっていたため、文字通り身動きが取れない状態でした。

売却による日本円への避難。できません。
通貨の移動。できません。
日本円残高の出金。これもできません。

そのまま23時30分まで時間は進みます。
緊急記者会見が行われました。あべまで中継されていました。

記者「XEMは盗まれたんですか?」
CC「はい」
→ハッキングにあったことはおそらくすぐに気付いたのでしょう。しかしそのことを記者会見まで一切公表しませんでした。

記者「なんで盗まれたんですか?」
CC「……」
→「検討中、確認中、わからない」で全てを乗り切る、まるで私の人生のお手本のような回答でした。
「株主と相談して決定する」という言葉が何度も出てきましたが、株の過半数を代表取締役社長と取締役の2名で保有しているそうなので、こりゎ……という感じ。

記者「セキュリティに脆弱性があったのでは?」
CC「セキュリティはしっかりしてたつもりです」
記者「XEMはマルチシグ、コールドウォレット管理でしたか?」
CC「マルチシグじゃないです。コールドウォレットでもないです」
私「公式サイトにコールドウォレットって書いてあったけど」
→コールドウォレットってのはオフライン管理のことです。対義語はホットウォレット。
今回ハッキングされた最大の原因がこれです。ずっとオンライン管理してたんでしょうね。

記者「顧客への補償はあるんでしょうか?」
CC「検討中です」
記者「顧客の中には日本円をそのまま預けている人もいると思うのですが、それも出金はできないのですか?」
CC「……」
→ダメみたいですね……。

記者「XEM以外の通貨は盗まれたんですか?」
CC「いいえ」
→これも正直わからないです。XRPも送金されてたみたいなのをどこかで見ましたが……。

記者「XEM以外の通貨は売却・送金できるようになるんですよね?」
CC「……」
私「オイ!!!!!!!!!!!!!!!!」
→オイ。オイオイオイオイオイ。スゥー……。

さて、仮想通貨のハッキングには前例があります。
Mt.GOXという海外の取引所で114億円分のBTCが盗まれ、GOXが倒産しました。
今回CCは600億円程の盗難にあっていますので、5回倒産できる計算となります。
ちなみに600億円という数字は世界広しと言えど史上最高金額です。
おめでとう!君が一位だ!!!!

例え話をしましょうか。
コインチェックが破産手続きをするとどうなるか。
コインチェック内の資産、つまりはユーザーからの預り金は全てなかったことになります。
今現在、コインチェックから別の口座には送金できない状態です。完全にSAO。
コインチェックに資金を置いている人は、それが0円になります。
利確して、出金せずに居た人は、税金を取られます。

月曜日、コインチェックが破産手続きを開始した旨発表する気がしています。
これは完全に個人的な予想であり、根拠もなければ意味もないです。
もしかしたら、何事もなく「え?XEM盗まれたけどそれが何か?普通に再開するよ?」と社長がヘラヘラ報告してくれるかもしれません。

とりあえずコインチェックの従業員は役員含めて逃げないでください。
死なないでください。もっと言うと殺されないでください。
死ぬと話ができませんので。
しかし私は。
以上。

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