小学生の頃の思い出を話そうと思います。
その日は社会の授業があったのですが、ぼくは社会の教科書を持ってくるのを忘れてしまいました。このままでは先生に怒られると思い、当時大人も子供も怖かったぼくはなんとか叱責から逃れられるような言い訳を考えたのでした。
社会の授業が始まります。
「お、Noesis。教科書どうしたんだ?」
「持ってきたつもりだったんですが、表紙を見間違えて図工の教科書を持ってきてしまいました」
今思えば全くといっていいほど客観性に欠けていてしかも意味不明な弁解です。でも当時のぼくはこれが画期的な言い訳だと思っていました。
そして実際に「(一応持ってくるという意識はあったわけだし)まあ仕方ないか」といった具合にうまく難を逃れたのです。ちなみに、図工の教科書も持ってきていませんでした。
さて、事態はこれだけでは収まりませんでした。社会の授業が無事終わり、休み時間に入った時に事件が起こります。隣のクラスから来客がありました。
「誰か図工の教科書持ってる人居ない?次ウチのクラス図工なんだけど俺忘れちゃってさー」
焦りました。聞こえていないフリをしました。しかし悲しくもぼくは断頭台に立たされることになります。
「あれ、そういやNoesis図工の教科書持ってるだろ。さっき社会の時言ってたじゃん」
――この後のことはあまり良く覚えていません。確か、「あれ、持ってきてたと思ったんだけど図工の教科書も無かったわ……いろいろ勘違いしてたみたい」みたいな感じで誤魔化したような気がしますが、あの時は生きた心地がしませんでしたね。記憶に残っている中では初めての冷や汗だったかもしれません。
何が言いたいかというと、嘘はつかないほうがいいということです。
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