あの時出せなかった勇気が、居場所を求めて彷徨(さまよ)っている。
結果はどのみち変わらなかったかもしれないが、それでも振り絞るべきだった。行動すべきだった。
格好悪い自分をそこで曝(さら)け出して、今となってはもう見ることの出来ない結末を、そこで一瞬でも味わっておくべきだったんだ。
懐かしいあの子の夢。
先生が転勤するとかで、送別会の場に私は居た。
昔好きだった子も教室に入ってきて、目が合った。
「先生がいなくなるけど寂しい?」と問われた彼女は僕を見て微笑みながらこう言った。
「ん~6くらい(笑)」
6という数字は僕にだけ伝わるマジックワードだった。
僕は後悔した。もっと素直になるべきだったと。
精神の幼いガキだった。
人に拒絶されるのをひどく恐れていた。
あの時未来を変えていても、いずれ愛想を尽かされていたかもな。
でも、それでもよかったんだ。
そういう経験も素敵な思い出として受け入れられるだけの力が僕にあればなって、夢から覚めてそう思った。
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