コトブキヤの株主総会へ参加すべく、立川へ。昨年11月以来です。
ということで株主総会のレポートになります。
ものすごく雑にまとめると、実質フレームアームズ・ガール関係者トークショーでした。(割とマジ)
9時半だとまだウドラも外には出ていませんでした。
来ましたね。ええ。
入ってすぐにFAガール、ヘキサギア、メガミデバイスの3タイトルの立て看板がありました。
これらは全てコトブキヤの自社オリジナルIPということで、会社としても全面的にプッシュしているようです。
ホールまでの通路には、写真のように商品展示がされていました。
劇場版制作進行中!のポスターも入り口付近に大きく飾られていました。
このキービジュアル、やはり良い……。
FAガールはたくさんケース使ってました。轟雷の塗装済サンプル実物、何気にレアでは?
後述もしますが、というか改めて言うほどでもないですが、FAガールはコトブキヤを支えるエースだということがよく分かります。
9時40分頃ホールに入りました。受付は30分からで既に人もそれなりに入っていましたが、最前列がガラガラだったので喜々として最前中央に座りました。(オタクなので)
最前が空いているのに最前に座らない人、もったいないと思うぜ?
ちなみに年齢層ですが、おっさんが多かったですね。若年層もちらほら。(私と同じような動機でしょう。)
50分頃社員の方々が数名入ってきました。中には杉山Pの姿も。
その後役員も登場し定刻通りスタート。(清水社長はROLEXの多分デイトジャストです。)
役員自己紹介の後、コトブキヤの経営状況の映像(パワーポイントとナレーション)が流れました。
ナレーションの声、FAガール声優とかそういうミラクルはありませんでした。(別に期待していたわけではないです。)
内容についてはIRページにて公開されている各種資料と重複する部分がほとんどなのでここでは割愛しますが、いくつか印象的だった部分のみ抜粋しようかと。
パワーポイントのデザインがおしゃれ
いやそこかよ、って感じなんですが、すごくおしゃれでしたね。右上に緑色の会社ロゴ。全体的なカラーはグリーンを基調としており、強調したい単語は赤字ではなく緑字という徹底ぶりでした。これはハイセンス。
またインデントレベルも、
こういう感じのオリジナル矢印を使っていて目を引きました。
(多分こういうところを見ている人私だけ)
取り巻く環境について説明中に「スマホゲー」の文字列
消費の多様化の話の中で、「スマホゲー業界の売上が伸びている」といった内容が出てきました。コトブキヤもFAガールの今後の展望として、スマホゲーへの参画を視野に入れているのかも、と思いました。
いたるところにFAガールやメガミデバイスのプラモ写真
これが一番分かりやすく印象的でした。商品展開をはじめ、広報、自社IP強化等色々と説明が入る中、あらゆるところに商品例として轟雷や朱羅忍者の画像が丸枠で出ていました。
「店舗キャンペーンの実施による集客」というくだりでは、4/18の轟雷起動日のキャンペーン商品も写真もあり、かなりFAガールに話を絞っているようにすら聞こえました。
というか、キャラグッズ系やフィギュアの話がほぼ無しでした。冗談抜きでFAガールとメガミの話しか出てこなかったです。株式会社FAガールか?
ちなみに、ラジオFAガール改のロゴやLIVE SHOWのキービジュアルもパワーポイント内のにさらっと登場していました。
今後の課題として挙げているもののうち、特に重視するものとして「自社IP強化」
「自社IP強化」がこの総会のキーワードだったように感じました。要するに、FAガール、メガミデバイス、ヘキサギアのオリジナルIPに力を入れていくと。
多くのユーザーもこれらをコトブキヤに求めていると思うので、とても安心できました。
ここまででだいたい30分ほど。
続いて質疑応答に移りました。
これがかなり長かった、1時間以上やってました。いやマジ?
質問総数20、立ちっぱなしの社長はいささか大変だったと思いますが、個人的にはかなり有意義な時間でもありました。
全てメモしているので以下にまとめます。
Q.自社IP、今は男性のコア層がターゲットになっていると思うが、展望としては今後も同様か、もしくは別のターゲットを狙う等の考えはあるか?
A.自社IPそのものの種類を増やしていくつもりである。男性向けコンテンツが多いように見えるが、女性向け自社IPも開拓している。
Q.武装神姫のプラキットの続報、どうなってる?
A.2019年1月発売のエーデルワイス以外にも粛々と開発は進んでいる。
Q.ウドラとコトブキヤの関係は今後どうなっていく?どうしていきたい?
A.IP戦略の一貫として、立川やウドラを知らない人にも知って頂けるよう、(関係を)大切に育てていきたいと思っている。
こちら、杉山Pにより回答。ここで私は初めて杉山Pの役職を知ることになりましたが、伏せておきます。(とりあえず偉いです。)
Q.日経新聞の取材にて、自己資本比率が40%になったら配当金の見直しを考えているとあったが、この考えは変わらないか?
A.今後のバランスを見ながら検討を進めている。
Q.基本的には変わらないという認識でよいか?
A.あくまで業績を鑑みて、というところ。
流石に下手に断言は出来ないということで、若干逃げていました。(しゃーなし)
Q.海賊版の対策は何かしているか?
A.ウェブ上での注意喚起や他社ECサイトプロバイダーへの連絡、警察への通報などは行っているが、現状いたちごっこであり、根本解決策は見い出せていない。中々難しいものがある。
Q.財務について、借入金36億円とあるが、今後は借入金を増やし規模拡大をする方針か?あるいは借入金を減らしていく方針か?
A.借入金の多くは本社ビルのローンであり、こちらの支払いは順調。それ以外の借入金は圧縮していくことを考えている。
Q.近年、特にフィギュアの高騰が目立つが、今後コトブキヤとしては付加価値を付けることで高価なフィギュアを是とするのか、あるいは手に取りやすい価格にしていくのか?
A.今後、質問の通りフィギュアのあり方は二極化(高価高品質/安価低品質)していくと考えている。コトブキヤとしては品質向上を続けていくつもりである。
Q.社外取締役が新たに新任となったが、今後も増やしていく方針か?
A.断言は出来ないがその方針である。
ここ質問者が何言いたいのかわからなかったっす。(多分私の知識不足)
Q.アジア、北米への商品展開に注力するとあったが、特にプラモデルは品薄になったりと生産スピードに難ありと感じている。この点についてどうか。
A.一部のプラモデルについては生産拠点を国外から国内に移すなどしており、少しずつであるが生産キャパシティは増えている。
ブキヤの汎用武器プラモシリーズであるM.S.G.はいつの間にか国内生産になっていたそうです。
Q.FAガール、メガミデバイス、ヘキサギアの3つをオリジナルIPとして推しているが、消費者としては大きな違いを感じられない。また、轟雷、スティレット、バーゼラルドの初期FAガールのパッケージ絵はフミカネが描いたということで魅力を感じられたが、フレズヴェルクのパッケージ絵(こつえー)からは魅力を感じられない。艦これ等の人気イラストレーターを起用するなどしてはどうか?
私「なんだこいつ……」
A.前半部分、差を感じられないという点については努力不足であると考える。広報を通してより消費者に伝わりやすいものにしていきたい。FAガールの魅力云々については、貴重な意見としてお受けする。
私「天才アンサー過ぎる……」
一番ヤバイ質疑でした。ほぼ発言ママ記載しています。まず絵から魅力を感じられないって失礼にも程があるしそれあなたの主観では?と思いましたね。当然ながら会場は苦笑いに包まれました。
Q.昨今米中貿易摩擦の関係で、中国での(プラモデルやフィギュア)生産はメリット・デメリットがより際立つと思うが、今後中国以外で工場を作りたい(自社工場)または置きたいなどあるか?
A.自社工場を持つ予定は無い。今後も中国工場での生産を考えている。タイやベトナムも候補としては挙がっていたが、殊フィギュアについては塗装技術が作業員依存であり、この技術が先の二国ではまだ不十分であるため。
また、コトブキヤのみならず、業界全体として工場をどこに置くかという課題は検討をしている。
Q.宣伝・広告・広報の手段と達成目標について教えて欲しい。
BD(質問者はDVDと言っていたがおそらくはBDが正)の売上は非常に良いが、放送時視聴率が低かったことを調べた。また、秋葉原ではアニメ番宣ポスターを見つけるのにかなり苦労した。(イエサブで1枚のみと言っていたが、これがいつ時点の話かは不明。)
このことから、アニメは実は宣伝不足だったのではないかと思った。
A.実際にユーザー、特に海外のユーザーに対してヒアリングを行った際にもアニメの認知度が低いことが露わになっていた。小売店や各種法人からも「『アニメをやる』と言ってくれればもっと宣伝したのに」と言われたほどである。
初めてアニメを作るということで不勉強だった部分もあり、次の機会は宣伝を強化したい。(点でなく面で攻めると言っていた)
海外ではウェブコミュニティが強いため、それらのメディアで宣伝をしていく。
社長「補足すると、『プラモデル屋がアニメを作るって何?』と斜に見られていたところが事実としてあった。」
これ、知らなかったです。要するに「もとからFAガールを知っている人は知っている」状態だったということです。
宣伝部長が「アニメの宣伝が不十分だった」と明言したものですから相当なものだと思われます。「もっと広い範囲の人に見てもらう」というのが本当の成功だったということなのでしょう。そりゃそうだ、このアニメ、プラモ販促アニメですからね。プラモを買ってる層以外に見てもらわないといけないわけです。
ともかく、衝撃でした。
劇場版、絶対、大成功して欲しいです。
Q.プラモデルが大きく売上に貢献しているが、年々プラモデルユーザー(特に子供)の人口が減っており、マーケット規模が小さくなっていくことが予想される。もっと手軽にプラモデルに触れられるようなきっかけ作りや、枝葉を広げるような取り組みは考えているか?
A.なかなか難しい課題だと捉えている。プラモデル協会でも同様の問題について議論している。タミヤ、バンダイでは模型教室を開催するなどして新規ユーザー獲得に取り組んでいる。コトブキヤでもほそぼそと模型教室を開催したりはしている。
Q.64期の経常利益減の理由について教えて欲しい
A.貸し倒れ引当金の発生及び、アニメ制作費の発生によるものである。
Q.先程アニメ宣伝が不十分であったという話もあったが、コトブキヤの商品展開や事業のターゲットを考えると、意思決定を行っている役員らの判断に問題があるのではないか?
A.事実、役員らでは意思判断がつかない場合が多く、現場の部門長に判断を任せている。
Q.取締役新任として清水克多郎氏を迎えているが、何を期待して彼を選んだのか?(おそらく親族をコネで選んだ部分についての究明)
A.海外にてイエローハットの成長過程を経験・活躍した実績があり、同じく成長過程であるコトブキヤに恩恵を与えると判断したため。
Q.株の出来高が非常に少なく感じるが、流動性について何か考えているか?
A.出来高が少ないことは安定株主が多いことの裏返しだと思っているが、IR、宣伝が足りていない、つまり企業としての知名度が少ないことが課題だと考えられる。(認知度を上げていくよう努める。)
Q.株主優待について、何か他に考えているか?
A.社内でも優待については議論している。長期保有株主に対して何らかの還元をするということは検討している。(決定ではない。)
ここで残り2つにしたいと思いますと社長よりアナウンス。
Q.製品開発のほか、R&D(研究開発のこと)分野について聞かせてほしい
A.ヘキサギアのフルカラーインスト等、東海大学と協力しこの分野についても開拓をしている。
すみませんここメモ怪しいです。
Q.劇場版FAガール制作決定とのことだが、現時点での進捗具合をお話出来る範囲で聞かせてほしい
A.まずはFAガールをご愛願頂き感謝する。劇場版については、最良のエンターテインメントを届けられるように、社内で話を進めている最中である。最善の、ベストを尽くしていくので、どうぞよろしくお願い申し上げる。(ですます調から変更しました。)
杉山Pより回答。ちなみに私が質問しました。爪痕、残さないとね。(多分顔覚えられているのであーハイハイこいつねみたいに思われてた)
分かってはいましたが、現段階ではまだユーザーに対しての情報開示はしない方向性のようです。言わないだけで内部では色々と進行しているとは思います。
以上、質疑応答になります。広くお話を伺うことが出来たので、すごく楽しかったです。
ホビー系企業ということもあり、経営状況や株価の質疑応答ばかりにならずたいへん愉快でした。
質疑応答の後は議案採決(賛成者は拍手ってやつですね)でしたが、こちらは当然ながら滞りなく進み、かくして2時間にわたる株主総会は無事閉会となりました。
終わった後の通路の様子です。皆さん撮影されていました。完全にイベントのそれでした。
アナウンス通りお土産は無しでしたが、お茶をもらえたのでブキヤのポスターを背景に記念撮影。
これがコトブキヤの"お茶"なんだよなあ。(意味不明)
お昼ご飯は1階の菊松食堂で食べました。美味しかったです。(写真無し)
以上です。今週末はビッグサイトで全日本模型ホビーショーです。
ゆうゆうまるに、会いに行く。
ボツ写真。うまく撮れなかった。
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